先に結論を述べちゃうと、HTML5におけるstrong
は重要性 (importance)を、em
は強勢 (emphasis)を表す。強勢って何?ってのは後述しています。
かつてHTML 4.01の場合は単純にem
が強調 (emphasis)、strong
がより強い強調 (stronger emphasis)でした。
なおどちらもemphasisという単語を使っているんだけれど、この英単語自体が重要性を示す「強調」と、発声時の強弱の強を示す「強勢」と、両方の意味を持っています。HTML 4.01とHTML5では日本語訳を分けているのは、文脈から判断したものです。
重要性
こちらは重要なものである、という事を表します。普通です。ここ試験に出るぞーってやつですね。
- 吾輩は「猫」である。
すると、きっと試験にこんな問題が出るわけです。
「この物語の語り手である「吾輩」は何者であるか。漢字一字で答えよ。」
強勢?
強調はわかるが強勢って何だ?という事で、大辞泉で引くとこんな。
強さアクセントで、強めの部分。ストレス。
口にする際に強調して発音するという事です。
仕様書の例も分かりやすいから見て頂きたいのだが、どこを強調して発音するかによって、文の意味合いが違ってきます。
強勢の例
二つの文を例示します。なお鉤括弧の部分を強勢とします。
- 「吾輩は」猫である。
- 吾輩は「猫」である。
前者の文では「吾輩は」を強調しています。つまり他の誰かは違うかもしれないが、この第一人称者について言えば、間違いなく猫であると。
一方後者の文で強調しているのは「猫」という点です。この場合はきっと「吾輩」を名乗る何者かが、一見人のように見えたり、あるいはサイボーグ化されているのかもしれないが、それでもなお「吾輩」は「猫」を自称するという意味合いです。
より強い強調
HTML5ではstrong
を入れ子にする事で、より強い強調を表現するようになりました。
<strong>ここ大切です。</strong> <strong><strong>こことても大切です。</strong></strong>
あんまりしないと思う。
おわり
てな感じかなーと思ってますがどうですかね。
ところで関係ないんだけど、HTML 4.01の時代は要素名が大文字だったのに、HTML5だと小文字なんだね。
参照
- HTML 4.01 Specification
- Paragraphs, Lines, and Phrases
- HTML5 A vocabulary and associated APIs for HTML and XHTML
- 4.6 Text-level semantics — HTML5
- strong 要素 – テキストレベルの意味づけ – HTML要素 – HTML5 タグリファレンス – HTML5.JP
- em 要素 – テキストレベルの意味づけ – HTML要素 – HTML5 タグリファレンス – HTML5.JP
- emphasisの意味 – 英和辞典 Weblio辞書